digital_komusukeの本を紹介
全国の中小企業の占める割合は2021年時点で99.7%その内の小規模事業者の占める割合は84.5%、(小規模事業者とは製造業、建設業、運輸業その他の業種:従業者規模20人以下、卸売業、小売業、サービス業:従業者規模5人以下※宿泊業・娯楽業は、従業者規模20人以下)殆どが小規模事業者。いわゆる零細企業です。その日本を支える零細企業にも必ず世代交代、事業承継はやってきます。手段としては、親族への承継から社員への承継等、M &Aと言う手段もあります。できなければいつかは廃業と言う事になります。大企業には売上では大きく及びませんが、零細企業でも大企業に勝る事があります。それは社歴の長さです。社歴が長いと言う事は、それだけ世の中に必要とされてきた証拠です。
そう言う観点からも事業承継以前に、社長が突然亡くなった場合は誰かが引き継いで会社運営をしなければなりません。そう考えるといつでも交代できる準備をしておく事が必要です。それをいつからやるのか? 私は社長就任時から始めるべきだと思っています。自分がいなくなる事を前提に会社運営をするという事なので少し寂しい感じもしますがクライアントや社員、協力会社、家族等の事を考慮すれば仕方の無い事です。これも社長の大きな仕事の一つだと思って取り組むべきです。
少し私の話をさせて頂きますが、28歳で一般社員として入社し39歳の時に社長へ就任しました。前社長とは親族・血縁関係も無く、工場移転に伴う社長交代でした。
就任前は事務所兼工場は街中にあり、仕事も順調に増えてきた事と建物の老朽化や周りの住宅事情もあり将来を考えると早いうちに移転した方が良いとの考えでした。実際賃貸物件を探してみると現工場周辺には物件が無く、探しているうちに遠方にしか物件が無いことがわかりました。そして家賃も予想より高く、いろいろ知人等に相談して得た情報で工業団地の土地が売りに出ているとわかり自社物件を建てた方が良いとの判断になりました。前社長とは歳の差が30歳もあったので、新しく工場を建設する際の保証人問題等で、高齢なので今から保証人にはなれないと言われたのが理由で社長交代の方向へ進み始めました。
私も若かったので根拠のない自信と勢いで引き受けて、税理士の先生のアドバイスを受けながら1年もかからずに無事、事業承継出来ました。今思い返すと、工場建設を進めながらなんであんな大変な事がクリアできたのか不思議ですが、その時は必死だったので細かい事は覚えていません。
社長就任してからまず、考えたのは「社長がいなくていい会社」にする事でした。理由は先ほど記した通り、いつ何があるかわからないと言う思いと、引き継いだ会社はまた誰かに引き継ぐべきだと言う考えが当初からありました。そして会社を運営していく事に際して誰にも迷惑はかけたくないとの思いもあり、私に何かあっても引き継ぎはスムーズに済ませたいとの思いがありました。
社長がいなくても良い会社とは簡単に言えば、日頃から社長決裁を減らす、権限移譲を推進する事です。言う事は簡単ですが、これを進めるには社員の理解と協力が不可欠です。この方針で会社運営を進めて行ったのでこれまで何事も社長が決めて物事が進む事に慣れた社員も最初は戸惑ったと思います。
そしてもう一つ決めていた事があります。事業承継は親族・血縁ではなく、一般社員に行う事です。前社長がそうだったように私も親族・血縁以外にしようと決めていました。
この本では事業承継の手法や税金対策・財務的な事には触れていません。そういう本は世の中に多く存在し私も専門ではありません。しかし事業承継にはそれ以外の大切な準備が必要です。事業承継までの準備の20年を記したいと思います。
地方の町工場が20年取り組んできた5S活動を「1.考え方」「2.導入」「3.進め方」「4.手法」「5.事例」で紹介。
一般社員で入社し、39歳の時に事務所兼工場移転に伴い代表に就任し5Sとの出会いで町工場をカイゼン。
会社が綺麗になる事が目的ではなく、利益に繋がる5Sを目的として取り組んできた活動をお伝えします。
5S活動と聞いて、良い事なんだろうけどどうしたら良いのかわからない?
そんな時間があるなら業務に時間を使った方が良いんじゃないか?
実際、実施して利益につながるの?
やってみたけど途中で挫折した・・・
実際私の会社でも同じような事が起きていました。
そして整理整頓された工場を見ると「いつかはやらないといけない」
そんな想いに駆られます。そして忙しい時期が続くとその事を忘れ、業務が落
ち着くと思い出したように取り組み始め、また忙しくなると取り組みをやめる
その繰り返しの会社も多いのではないでしょうか。
しかし実際諦めずに続けて行くと利益も上がり、残業も減り、労働生産性の向
上に繋がりますが、ただダイエットや筋トレと同じで直ぐに結果は出ず継続す
る事でしか効果が出ません。
結果が出始める迄に我慢できるか?
どうやったら続けて行く事ができるのか?
一番の問題はそこにあります。
私の会社でもゴミ一つ落ちていないというわけではありません。何故なら会社
を綺麗にする事が目標ではなく、会社の利益を上げ生産性を上げ、残業を減ら
す事を目標としているからです。
実際の取り組みを紹介しますが、他の書籍等で紹介されている5S活動とは解
釈が違う部分も多少あると思いますが、どこにでもある町工場が20年近く取
り組んで来た5S活動を、考え方から進め方、事例まで本書では紹介します。
目次
00 5S活動
mind
01 なぜ5S活動を行うか?
02 5S活動に対するイメージを変える
03 経営者の考え方次第
04 5S活動のサークルを回す
mind 01〜04まとめ
introduction
05 キックオフ
06 責任者を決める
07 何処から始める?
introduction 05〜07まとめ
step
08 整理(工具・機器・備品編)
09 整理(資料・書類編)
10 整頓
11 清掃
12 清潔
13しつけ
14 セキュリティ(安全)
15 バージョンアップ(改善)
16 情報共有
step 08〜10まとめ
step 10〜16まとめ
method
17 表示
18 ライン引き
19型に合わせる
20 吊るす(浮かす)
21 転がす
22 明るくする
method 17~22まとめ
case study
A 資料棚
B 本棚
C 収納棚
D モニター
E 掃除ラック
F 掃除道具・ゴミ箱
G 掃除道具
H 作業台
I 備品・荷物置き場
J 機械設備まわり
K 機械設備まわり
L 吊り下げ収納
M 工具収納
N 工具収納
O 工具収納
P 備品収納
Q 資材置き場
R 窓
S ウレタンマット(スポンジマット)
T 共有する
outroduction(あとがき)
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